HACCP手法に関する用語説明
農薬
- 見出し語
- 農薬
- 見出し語読み
- ノウヤク
- 同義語・略語
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農作物(樹木及び農林産物を含む。以下「農作物等」という。)を害する菌、線虫、だに、昆虫、ねずみその他の動植物又はウイルス(以下「病害虫」と総称する。)の防除に用いられる殺菌剤、殺虫剤、その他の薬剤(その薬剤を原料又は材料として使用した資材で当該防除に用いられるもののうち政令で定めるものを含む。)及び農作物等の生理機能の増進又は抑制に用いられる成長促進剤、発芽抑制剤その他の薬剤をさし、殺虫剤・殺菌剤・除草剤・殺鼠剤・植物成長調整剤・誘引剤・忌避剤・展着剤・天敵・微生物剤が当てはまる。農薬取締法により、無登録農薬の製造・輸入・使用禁止・農薬使用基準に違反する農薬使用の禁止が規定されている。ただし、その原材料に照らし農作物等、人畜及び水産動植物に害を及ぼす恐れがないことが明らかなものとして、農林水産大臣及び環境大臣が指定する農薬(特定農薬)に関しては登録を行う必要がない(例えば天敵)。
農薬の登録に関しては、まず申請者が所定の書類(申請農薬の品質や安全性を確認する資料として病害虫への効果、作物への害、人への毒性、作物への残留性などに関する様々な試験成績等)を用意して農林水産省に提出する。申請を受けた農林水産省は独立行政法人農薬検査所にその農薬を登録しても良いか否かの検査をするよう指示する。農薬検査所では、提出された試験成績等に基づいて、農薬の品質の適正化とその安全かつ適正な使用の確保のため、農薬の薬効をはじめ毒性や作物・土壌に対する残留性などについて総合的に検査し、農林水産省にその結果を報告する。この結果から、農林水産省はその農薬を登録するか否かを判断する。農薬取締法では、農薬の作物残留、土壌残留、水質汚濁による人畜への被害や水産動植物への被害を防止する観点から国が基準を定めることとされており、申請された農薬毎にこれらの基準を超えないことを確認して登録する。これら基準は、審査の結果、基準を超えると判断された場合には登録が保留されることから「登録保留基準」と呼ばれ、環境大臣が定めて告示することとなっている。このうち作物残留に係る基準については、食品衛生法に基づく食品規格(残留農薬基準)が定められている場合、その基準が登録保留基準となる。平成15年7月1日から内閣府に食品安全委員会が設置されたことから、残留農薬基準の設定に必要な毒性評価については、食品安全委員会の農薬専門調査会で行われることとなった。
参照
- HACCP:衛生管理経計画の作戦と実践 データ編 pp 271~279
- 食品の安全を創るHACCP 発行2003年 (社)日本食品衛生協会 pp 58~59
- 食品の安全性評価と確認 著者西島基弘/鈴木勝士 発行2003年 (株)サイエンスフォーラム pp 36 87~94
- (独)農林水産消費安全技術センター(旧:農薬検査所ホームページ)