HACCP手法に関する用語説明
カビ毒
- 見出し語
- カビ毒
- 見出し語読み
- カビドク
- 同義語・略語
- マイコトキシン
カビのつくる有毒有害物質をカビ毒という。これまでに300種以上が報告されている。カビ毒の食品衛生上の問題は長期間摂取した場合の発ガン性である。カビ毒は一般に熱に対し安定で、通常の加熱調理では完全に分解されない。
カビ毒には、発ガン性・慢性毒性・急性毒性を持つものがある。
天然物の中で最も強力な発ガン性をもち、とうもろこし・ナッツ類・香辛料等多くの食品や飼料を高頻度で汚染するアフラトトキシンは、食品及び飼料については輸入時の検査が義務付けられている。その他規制の対象となっているものは、嘔吐・腹痛・下痢がおもな毒性であるデオキシニバレノール(生産菌;フザリウム属のカビ)、中枢神経を侵す神経毒であるパツリン(生産菌;アスペルギルス属およびペニシリウム属のカビ)がある。
HACCP手法においては、原料由来及び保管状況により発生する化学的危害原因物質としてHAを行う必要がある。
ほとんどのカビ毒は通常の調理加工条件下では分解しないことから、原料段階でのカビ毒による汚染原料の目視選別・近赤外線分析等による機械選別による除去と、原料保管中の有害カビ発育抑制のために低湿度かつ低温で保管することが防止対策として有効である。
参照
- HACCP:衛生管理経計画の作戦と実践 データ編 pp 160~163
- 食品の安全を創るHACCP 発行2003年 (社)日本食品衛生協会 pp 58~59
- 食品の安全性評価と確認 著者山瀬明彦 発行2003年 (株)サイエンスフォーラム pp 99~108