HACCP手法に関する用語説明
防虫・防鼠
- 見出し語
- 防虫・防鼠
- 見出し語読み
- ボウチュウ・ボウソ
- 同義語・略語
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ウィルス・細菌・寄生虫などを運んでヒトに病気を感染させる衛生害虫(ハエ、ゴキブリ、貯蔵食品害虫など)や衛生動物(代表的なものはネズミ)の侵入による病原体汚染をふせぐためには、定期的に殺虫剤や殺鼠剤等による駆除作業を行う必要がある。また、巣を創らせないためにも、配管等の清浄作業や、鋼、板、セメント、コーテイング剤などあらゆるものを使って侵入口となりうる隙間を防ぐ等の措置が必要である。
その際に注意することは、科学的危害要因の一つである殺虫剤や殺鼠剤が食品への混入が起きないように管理する必要がある。たとえば、殺虫剤のくん蒸や蒸散を行う際には、食品・器具等が直接暴露しないようにする、殺鼠剤のばら撒きは原料等への混入が起きないように保管場所の近傍は避ける、粉剤は飛散しやすいので原料の保管場所では行わない等の注意が必要である。
施設周辺の管理
・そ族・昆虫等を誘引する花や実がなる植栽を避け、廃棄物や汚水の臭いを拡散させないよう整備することが望まれる。定期的に草刈りや植栽の剪定を行う。
・そ族・昆虫等の繁殖場所となる水たまりや雑草、遊休装置などの乱雑な保管、廃棄物の放置などを排除しなければならない。舗装していない駐車場など、水たまりができユスリカの発生源になりそうな箇所には、こまめに砂利を入れるなど手入れが必要である。
・施設の屋外で用いる照明や玄関や通路などには、昆虫が見えにくいとされる黄色や緑色の蛍光灯やビニールカーテンを設置することが望まれる。
・施設のひさし部分や給気施設周辺には、鳥などに巣を作らせないよう留意が必要である。吸気施設などに巣を作られると糞由来の微生物や羽毛が施設内に混入するおそれがある。定期的なメッシュやフィルターの点検が必要である。
・工場周辺の排水溝は末端部分に網や水封を施し、そ族・昆虫等が施設の開口部から侵入しないようにする。
参照
- HACCP:衛生管理計画の作成と実践 データ編 監修厚生省生活衛生局衛生課 編集動物性食品のHACCP研究班 発行1997 (株)中央法規 pp 280~283
- 食品衛生学 一色賢司編 発行2003年 (株)東京科学同人 pp 130~132
- 食品製造・加工事業者のためのよくわかる高度化基盤整備事項解説 発行2015年 (一財)食品産業センター pp104