一般財団法人 食品産業センター HACCP関連情報データベース

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2.増殖/死滅曲線フィッティングツール

海外における予測微生物学モデル

2.増殖/死滅曲線フィッティングツール

予測微生物学を利用するなかで,頻繁に用いるものとして,実験データの解析がある。例えば,増殖曲線を解析する,あるいは死滅曲線の解析がある。これらの解析は,解析者の保有するソフトウェア等でも解析可能であるが,初学者にとっては少なからず困難を伴うものである。そのような初学者らの解析支援のためのツールとして,いくつかの曲線フィッティングツールが公開され,提供されている。ここでは代表的なものをいくつか紹介する。

1)ComBase (http://www.combase.cc/)

増殖あるいは死滅挙動データに対して,Baranyi モデルを基本式としてフィッティングすることができる。最大比増殖速度,誘導期,最大菌数を推定することができる。Webブラウザ上でデータを入力して,結果を得ることができる。

2)Integrated Pathogen Modeling Program (IPMP 2013)

米国農務省農業研究所が開発した元祖予測微生物学ツールのWeb版として,機能を拡充して2013年より公開されている。細菌の増殖試験データに増殖曲線をフィッティングさせる機能を有する。増殖の基本式にはHung の独自に開発した増殖式の他に,Baranyiモデル,Gompertzモデル,Buchananモデル選択して用いることができる。最大比増殖速度,誘導期,最大菌数を推定することができる。

3)Sym’Previus (http://www.symprevius.org)

Sym’Previus はデータベースとしての機能の他にも,実験データの解析モジュールが用意されている。その機能の中の一つとして,細菌の増殖試験データに増殖曲線をフィッティングさせる機能がある。本ツールはウェブ上で実行するものである。ただし,有償である。

4)GInaFiT(http://cit.kuleuven.be/biotec/ginafit.php

GinaFit は各種の死滅実験データに死滅曲線を当てはめることができ,最適な死滅曲線を選択することができる。Excel へのアドインソフトウェアで無償で利用できる。特に,非線形な死滅挙動へのフィッティングツールとして非常に有用なものである。


参考文献

Tenenhaus-Aziza, F., and M. Ellouze. 2015. Software for predictive microbiology and risk assessment: A description and comparison of tools presented at the ICPMF8 Software Fair. Food Microbiol. 45:290-299.

HACCPに基づく衛生管理

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