平成28年度農林水産省補助事業「食品の品質管理体制強化対策事業 研修会等の開催事業 検討報告書」を公開しました。
農林水産省では、中小規模(年間販売金額1~50億円)の食品製造事業者のHACCP導入率を平成35年までに50%にするという政策目標を掲げ、HACCPシステムの導入促進に係る取組みを支援しています。また、厚生労働省では、平成26年5月、食品衛生法第50条第2項に基づき都道府県等が営業施設の衛生管理上講ずべき措置を条例で定める場合のガイドライン「食品等事業者が実施すべき管理運営基準に関する指針」に<HACCP導入型基準>を新たに加え、<現行基準(従来型基準)>と<HACCP導入型基準>のいずれかを事業者が選択できるようにしました。更に、平成28年3月には「食品衛生管理の国際標準化に関する検討会」を設置し、有識者による食品衛生管理の国際標準であるHACCPの制度化(義務化)に向けた検討を開始し、12月に最終取りまとめが公表されました。今後は、フードチェーンを構成する食品の製造・加工、調理、販売等を行うすべての食品等事業者を対象とし、一般衛生管理およびHACCPに基づく衛生管理の実施について法令による義務化の検討が進められています。
当センターでは、この流れを見据えて、食品製造事業者の大半を占める売上高50億円以下の中小零細規模層における一般衛生管理の徹底およびHACCP手法導入を加速化するための取組み支援の1つとして、平成22年度より農林水産省補助事業「食品の品質管理体制強化対策事業」の支援を受け、「一般的衛生管理徹底&HACCP導入研修会」を実施してきました。受講者は年を追って増加しており、平成28年度には約2,000名に及びました。平成22年度からの受講者の累計は6,500名を超えています。また、食品事業者のHACCP導入をはじめとした食品安全・衛生の取組みを促進するために重要な施策となる消費者向けの啓発を強化するため、工場見学を伴った消費者向けセミナーである「消費者食品安全セミナー」を全国10か所で実施しました。更に昨年度より、食品学を学ぶ学生を対象とするセミナーを初めて実施し、大変好評であったので、今後、消費者と食品業界をつなぐ立場として期待される層を対象とするセミナーとして位置づけ、本年度は拡大して実施しました。
本報告書は、上記の内、「一般的衛生管理徹底&HACCP導入研修会」および「消費者食品安全セミナー」の実施について取りまとめたものです。 なお、参考資料編の研修会およびセミナー資料は承諾をいただいたもののみの掲載しています。 また、「一般的衛生管理徹底&HACCP導入研修会」で、皆さまよりお寄せいただいたご質問への回答は(2)報告書:資料編[PDF 3.68MB]に掲載していますのでご参照ください。
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