一般財団法人 食品産業センター HACCP関連情報データベース

管理運営基準に関する指針(ガイドライン)等について

管理運営基準に関する指針(ガイドライン)等について

1.管理運営基準に関する指針(ガイドライン)

「食品等事業者が実施すべき管理運営基準に関する指針(ガイドライン)」は、食品衛生法第50条第2項に基づき、都道府県、指定都市及び中核市が営業施設の衛生管理上講ずべき措置を条例で定める場合の技術的助言として、厚生労働省医薬食品局食品安全部長が示した文書である。

管理運営基準に関する文書は昭和47年(1972年)に出された「管理運営基準準則」にさかのぼる。この準則は衛生的措置、営業者による定期的な衛生検査、弁当や及び仕出し屋の検食保存、管理運営要領の作成、食品衛生責任者の設置、従事者の衛生教育の6部から構成されていた。準則は平成15年(2003年)の食品衛生法の改正に伴い、平成16年(2004年)にコーデックス委員会が示した「食品衛生の一般原則」(CAC/RCP1-1969,rev3-1999.Amd1999)の内容を参考に全面的に見直され、名称も準則から指針に改められた。さらに平成26年5月には、 将来的なHACCP による工程管理の義務化を見据えつつ、HACCP の段階的な導入を図る観点から、指針が改正され、それまでの基準(従来型基準)に加え、新たにHACCP を用いて衛生管理を行う場合の基準(HACCP 導入型基準)が規定された。

食品衛生法の改正、管理運営基準の準則・指針の改正を追っていくと、食品事業者による自主的な取り組みへの要請が一貫して強まっていることが見て取れる。

先ず、平成15年(2003年)改正前の食品衛生法には「自主」という用語は第28条の2第2項において「都道府県(略)は、飲食店営業者等の食品衛生の向上に関する自主的な活動を促進するため、(略) 食品衛生推進員を委嘱することができる。」との文言が見られるだけであるが、2003年改正後の食品衛生法には、第3条(自主検査その他食品等事業者の努力義務)、第23条第2項第2号(輸入業者の自主的な衛生管理)、24条第2項第2号(食品等事業者の自主的な衛生管理)、第61条(旧法第28条に同じ。)の4カ所に現れる。  食品等事業者が自ら作成する管理運営要領について、準則、指針を比較してみると、準則では単に「管理運営要領を作成し、従業者に周知徹底させなければならない」ことが述べられているだけであるが、指針では更に「効果を検証し、必要に応じその内容を見直すこと」が盛り込まれている。

平成26年(2014年)の指針改正では、従来型基準とHACCP導入型基準が規定され、食品等事業者はいずれかに沿った管理運営基準を作成することとされた。両基準を比較すると、施設の維持管理当多くの部分は同じであるが、食品の取り扱いに関する部分が大きく異なる。従来型基準では、食品の取り扱いに関し、衛生環境の維持や交差汚染の防止に関する必要事項を具体的に列挙しているのに対し、HACCP導入型基準では、具体的な記述はなくHACCPの7原則12手順が記載されている。(表1表2参照)

HACCPを通じ、食品等の取り扱いに監視、必要となる事項について自らが危害分析を実施し、管理点を設けるという考え方が示されている。条例等で定められた項目をそのままチェックするのではなく、自主的にリスクの高い工程を絞り込み管理するという考え方がHACCP導入型が求める食品等事業者の姿勢である。

2.と畜場法施行規則と食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律施行規則

食品衛生法に基づく管理運営基準に関する指針の改正に合わせ、と畜場法及び食鳥検査法に基づく基準についてもHACCP導入型の基準を導入するための改正が行われた。

(1)と畜場法施行規則

と畜場法第9条で、と畜業者等は、「厚生労働省令で定める基準に従い、獣畜のとさつ又は解体を衛生的に管理し、その他公衆衛生上必要な措置を講じなければならない」こととされている。これを受けたと畜場法施行規則第7条が平成26年(2014年)に改正され、食品衛生法における管理運営基準と同様、法第9条の規定に基づきと畜業者等が講ずべき衛生措置の基準は、従来の基準又は以下に掲げるHACCP導入型基準のいずれかとされた。(図1参照)

(2)食鳥検査法施行規則

食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律(食鳥検査法)第11条で、食鳥処理業者は、「厚生労働省令で定める基準に従い、食鳥処理場を衛生的に管理し、食鳥、食鳥とたい、食鳥中抜とたい及び食鳥肉等を衛生的に取り扱い、その他公衆衛生上必要な措置を講じなければならない」こととされている。これを受けた食鳥検査法施行規則第4条が平成26年(2014年)に改正され、食鳥処理業者が食鳥検査法第11条の規定に基づき講ずべき衛生措置の基準は、従来の基準又はHACCP導入型基準のいずれかとされた。(図2参照)

表1 食品等事業者が実施すべき管理運営基準 に関する指針(目次抜粋:旧版(2014年5月以前))
  • 第1 農林水産物の採取における衛生管理

  • 第2 食品取扱施設等における衛生管理

    1. 一般事項
    2. 施設の衛生管理
    3. 食品取扱設備等の衛生管理
    4. そ族及び昆虫対策
    5. 廃棄物および排水の取扱い
    6. 食品等の取扱い
    7. 使用水等の管理
    8. 食品衛生責任者の設置
    9. 記録の作成及び保存
    10. 回収・廃棄
    11. 管理運営要領の作成
    12. 検食の実施
    13. 情報の提供
  • 第3 食品取扱施設等における食品取扱者等の衛生管理

  • 第4 食品取扱施設等における食品取扱者等に対する教育訓練

  • 第5 運搬

  • 第6 販売

  • 第7 表示

表2 食品等事業者が実施すべき管理運営基準に関する指針の比較
Ⅰ HACCP導入型基準 Ⅱ 従来型基準
第1 農林水産物の採取における衛生管理 第1 同左
第2 食品取扱施設等における衛生管理 第2 同左
1 一般事項 同左
2 施設の衛生管理 同左
3 食品取扱設備等の衛生管理 同左
4 使用水等の管理 同左
5 そ族及び昆虫対策 同左
6 廃棄物および排水の取扱い 同左
7 食品衛生責任者の設置 同左
8 危害分析・重要管理点方式を用いて衛生管理を実施する班の編成 (なし)
9 製品説明書及び製造工程一覧図の作成 (なし)
10 食品等の取扱い
次の方法により食品の製造工程における全ての潜在的な危害の原因となる物質を列挙し、危害分析を実施して特定された危害の原因となる物質を管理すること。
(以下概要)
(1)危害要因リストの作成
(2)管理措置の検討
(3)重要管理点の設定
(4)管理基準の設定
(5)モニタリング法の設定
(6)改善措置の設定
(7)検証の実施
同左
(以下概要)
(1)原材料の管理
(2)原材料の前処理、保存
(3)冷蔵庫内の保存
(4)添加物の適正使用
(5)製造等における病原微生物等の死滅又は除去
(6)時間、温度の管理及び衛生的取り扱い
(7)食品衛生に影響があると考えられる工程の管理
(8)食品間の相互汚染の防止
(9)原材料の先入れ、先出し等
(10)器具及び容器包装
(11)異物、アレルギー物質の混入防止、原材料、製品、容器包装のロットごとの管理
(12)自主検査の実施と結果の記録
(13)おう吐物等により汚染された可能性のある食品の廃棄
(14)おう吐した場合に直ちに殺菌による消毒
11 管理運営要領等の作成 同左
12 記録の作成及び保存 (以下概要)
(1)危害分析、重要管理点、管理基準の決定についての記録の作成・保存
(2)モニタリング、改善措置、検証についての記録の作成・保存
(3)出荷、販売先等に関する記録の作成・保存
(4)記録の保存期間
(5)要請に応じた記録の提出
(なし)
同左
(以下概要)
(なし)
(なし)
(1)同左
(2)同左
(3)同左
(4)自主検査の記録保存
13 回収・廃棄 同左
14 検食の実施 同左
15 情報の提供 同左
第3 食品取扱施設等における食品取扱者等の衛生管理 第3 同左
第4 食品取扱施設等における食品取扱者等に対する教育訓練 第4 同左
第5 運搬 第5 同左
第6 販売 第6 同左
図1 と畜場法に基づくHACCP導入型基準のイメージ
図1 と畜場法に基づくHACCP導入型基準のイメージ

資料:厚生労働省HP

図2 食鳥検査法に基づくHACCP導入型基準のイメージ
図2 食鳥検査法に基づくHACCP導入型基準のイメージ

資料:厚生労働省HP

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