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HACCPとは?

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よくある質問

  • HACCPとは?
  • Q1: HACCPとはなんですか?

    A1:
    HACCPはHazard Analysis and Critical Control Pointの略称で、コーデックス委員会(国際連合食糧農業機関と世界保健機構が設立した、食品の国際基準を作る政府間組織)の「食品衛生の一般原則」において、“食品の安全性に係る重要な危害要因を特定、評価し、管理するシステム”と定義されています。日本語では「危害要因分析重要管理点」と訳されています。

    HACCPは食品の安全性を確保するための管理体系なので、ここでいう危害要因とは、健康に害を及ぼすおそれのある要因に限定されています。危害要因は、「生物的」「化学的」「物理的」の3種類に分けて評価することになっています。一方、食品としての品質要件は従来からのその会社の品質管理体系によって管理することになっています。
    HACCPが従来の管理手法と大きく違う点は、
    従来の管理方法が、 もっぱら、最終製品の抜き取り検査(細菌検査等)によって製品の安全性を判定し、問題点があれば前工程にフィード・バックすることによって管理していたのに対し、

    HACCPは、原材料から製品の消費にいたる過程において、

    発生する可能性のある危害要因とそれらを管理・制御すべき工程を決め、
    危害要因を食品中から排除/減少させるために必要な管理手順を決めておき
    その通りに実施できているか監視し記録する、ということです。

    HACCPによる管理は、工程上でリアルタイムに安全性を確保できる仕組みであることから、出荷前に高い信頼性で安全性が担保されるようになります。

    規制の観点からは、EUでは2004年より一次生産を除くすべての食品の生産、加工、流通事業者にHACCPの概念を取り入れた衛生管理を義務付けました。米国では、これまでの義務化(水産製品、食肉および食肉加工品、ジュース)に加えて、2011年に成立した米国食品安全強化法(FSMA)は、①米国内で消費される食品を製造、加工、包装、保管する全ての施設のFDAへの登録とその更新を義務付けており、②また、対象施設においてHACCPの概念を取り入れた措置の計画・実行を義務付けました。

    わが国では、2016年3月から、HACCPの制度化(義務化)に向けた検討を開始し、2016年12月26日に最終とりまとめを公表しました。2018年の通常国会に食品衛生法等関係法の改正法案の提出を目指しています。

    また途上国では、特に水産食品分野において、主に欧米諸国への輸出に対応するために、それぞれの国でHACCP対応が進んでいます。

     

  • Q2: HACCPの特徴とメリットは何ですか?

    A2:
    HACCPの特徴(従来の品質・衛生管理手法と比べて異なる点)と、本方式を導入することによって得られるメリットには次のようなことがあります。
    特徴

    原料から製品に至るすべての製造工程について、食品安全上の危害要因について科学的根拠に基づいて分析し、食品中の危害要因を除くためのいくつかの重要管理点(CCP)を定めて、それらを効果的かつ効率的に管理する手法であること。

    従来よく行われていた、仕掛品や最終製品から少数のサンプルを抽出して試験検査し、製品の安全性を確認するといった「検品」方式に依存するのではなく(対処療法的な対応ではなく)、科学的な根拠に基づきあらかじめ起こり得る危害要因を想定しておき、その発生を防止するために管理を行なうという、「予防」型のシステムであること。

    病原微生物のみでなく、貝毒やヒスタミン等の化学的危害因子、金属片等の物理的危害因子も対象にして管理することが出来ること。

    温度やpH、官能検査、納入伝票の点検といった、即時に適否の判別できる管理指標で操業状態をモニタリングすることによって、リアルタイムに工程を制御し、最終製品の出荷時にはすでに食品の安全性が確保されているという、合理的な管理手法であること。

    メリット
    工程管理記録を整備・保管することによって、ロットの遡及性が確保でき、さらに、それらを検証することによってみずからの品質・衛生管理結果が適正であったかどうかを後で確認することが出来ること。

    記録を残すことによって、第三者に対しても客観的なデータを示してみずからの製品の安全性・高品質性を示すことが出来るものであること。このことはPL法対策にもつながること。

    工場のあらゆる部門の担当者(品質管理、製造担当者のみならず、仕入れ、販売担当者等も含めて)からなるHACCPチームを編成するので、全社的な相互の意思疎通が図られ、チームワークが向上すること。

    管理部門のみでなく、現場の主任や作業員の協力を得ることによって、製造過程や施設設備等に不適切な個所があった場合の情報提供が活発化され、その結果、ハード面、ソフト面の詳細で幅広い改善活動と合理化が進み、以って品質不良や事故の発生を未然に防ぐことになる。そのような活動は、生産性のアップにも結びつくことが期待できる。

    HACCPシステムは国際標準であり、本システムを導入することによって、みずからの工場の品質・衛生管理について世界的な品質衛生レベルでの同等性が確保でき、そのことを周知させることによってバイヤーや消費者による信頼性が向上し、もって今後の国内外へのマーケット・アクセスの拡大を図ることが出来ること。

  • Q3: 根拠になり得るデータをどのように入手したらよいですか?

    A3:
    本Q&Aは、一般財団法人食品産業センターが開設している「HACCP関連情報データベース」の一部であり、以下の事項についての幅広いデータや知識を得ることが出来るようになっています。

    <HACCP関連情報データベース>

    HACCPの基礎
    HACCPの導入実践の手引き
    (国の施策、HACCP手法支援法、テキスト/マニュアル)
    化学的・物理的危害要因情報
    予測微生物モデル
    HACCP関連情報検索システム
    (文献検索、危害制御データ、関連情報など)
    HACCP導入に役立つ書籍の紹介
    その他

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