一般財団法人 食品産業センター HACCP関連情報データベース

SQF

認証の種類

SQF

1.SQF規定 - 策定経緯

1994年、オーストラリアの政府機関によって策定されたSQF(Safe Quality Food)は、2003年に米国・食品マーケティング協会(Food Marketing Institute:FMI)の所有するところとなり、FMI傘下であるSQF インスティテテュート(SQFI)によって運営されている。
また、2004年には、SQF(レベル2)が、GFSI1より承認2を受けた。

2012年6月、それまで一次生産向け規格SQF1000、食品製造向け規格SQF2000と別途規定されていた規格が、「SQF規定 食品業界向け、HACCPに基づくサプライヤー保証規定 第7版」として再構築され、一次生産から輸送・流通までに至る食品産業の全業種を対象とする統合されたSQF規定となった。

その後、GFSIガイダンス・ドキュメント3改訂等の影響によるマイナー改訂を行い、2014年12月現在の最新版は、第7.2版(2014年7月発行)となっている。

2.SQF規定の特徴

2.1 3つの認証レベル

SQF規定の最大の特徴としては、認証レベルが三段階に設定されており、認証取得する企業は、そのレベルを選択できるところにある。レベル1は、基礎レベルの認証であり、レベル2は食品安全を対象とした食品安全システム、レベル3は、食品安全・品質システムの認証となっている(表1)。SQF規定内パートBのモジュール2には、SQFシステム要素として、“経営コミットメント”や“文書管理および記録”、“食品安全の実現”や、“SQFシステム検証”、“トレーニング”といったマネジメントシステム要求事項が、この三段階の認証レベルに合わせた難易度で規定されている。例えば、基礎レベルであるレベル1では、“食品安全プラン”、“食品品質プラン”、“苦情管理”、“事業継続計画”のシステム構築は要求されていない。

尚、GFSI承認を受けているのはSQF規定・認証レベル2であるため、企業がGFSI承認スキームの認証のためには、レベル2あるいはレベル3での認証を受ける必要がある。

2.2 モジュール化による産業分野別要求事項

SQF規定は、パートA、パートB及び添付資料の三部構成となっており、パートAでは、SQF規定の実施と維持に関する規則類全般が記述されている。パートBでは、モジュール形式で要求事項が規定され、産業分野共通の“モジュール2:SQFシステム要素”に加え、モジュール3から15まで、産業分野毎の要求事項が記載されている(表2)。

この産業分野毎に要求事項を規定する方式は、FSSC220004、BRC5、IFS6、等の他のGFSI承認スキーム(一般加工食品製造)にはない特徴である。この特徴によって、汎用的な要求事項を解釈し組織が該当する産業分野に当てはめて考えなければならないといった作業が軽減され、認証取得を目指す組織にとって、より適用しやすい要求事項であると考えられる。

尚、モジュール3から15のなかで、一般的な食品加工における適正製造規範は、モジュール11に規定されている(モジュール11要求事項は表3に示す)。

2.3 SQFシステム要素の「必須要素」

前述のモジュール2に規定されたSQFシステム要素のなかには、「必須要素」と呼ばれる適用除外できない要求事項がある。これらはマネジメントシステム要求事項のなかで、重要であると特定された20項目となる(表4)。この「必須要素」と相似した仕組みが、他の一般加工食品製造向けGFSI承認スキームであるBRCやIFSにもある。しかし、これらは、適用除外ができないという仕組みではなく、それぞれ10項目のファンダメンタル要求事項、あるいは、KO要求事項と呼ばれる重要な要求事項について、これらが不適合となった場合は、認証が付与されないという審査スコアに直結する仕組みとなっている。

2.4 審査スコアと格付け

SQFは、前述のBRC、IFSと同様に、製品・プロセス・サービス認証認定規格であるISO17025のもとにスキーム構築がされていることもあり、審査結果の数値化、格付けを行っている。審査スコアは、不適合の数によって算出される。不適合はクリティカル、メジャー、マイナーの3種類に分類され、その不適合の種類によって、減点される点数が決まっている。クリティカルの場合は-50点、メジャーは-10点、マイナーは-1点であり、それぞれの減点数に不適合の数を掛けて、その合計を100点満点からその算出された減点数をマイナスする。表6で示されているように、合格点は70点のため、-50点であるクリティカル不適合が存在すると判定された場合は、その判定と同時に不合格が確定するということになる。このように算出された審査スコアによって、E(優)、G(良)、C(合格)、F(不合格)の格付けがなされ、その後の審査頻度が決定される。審査の結果に影響を与える不適合の定義、また、その不適合の数によって決定される審査スコアおよび格付けは、それぞれ、表5表6に記述した。

3.認証準備および認証プロセス

SQF認証取得のための準備および認証プロセスの概要は、図1に示すような流れとなる。

まず、SQF規定にもとづいてシステム構築するためには、SQF規定を入手する必要があるが、SQFIウェブサイトには、英語版だけでなく、日本語版も無料で掲載されており、ダウンロードして使用することができる。また、SQF規定の解釈を理解するためのガイダンスドキュメント(英語のみ)もウェブに掲載されており、SQFシステムの文書化、運用上での支援となりうる。

次に、認証を希望する組織は、認証取得前にSQF評価データベースに登録をする必要がある。また、認証取得後も、認証維持のため、年1回登録をしなければならない。このデータベースには、審査結果等の情報が掲載されることになり、認証を受けた企業、あるいは、その顧客等が情報を入手することができるようになる。

さらに、SQFが認証取得企業に義務付けている事項として、要員にSQFプラクティショナーの資格取得をさせ、その資格を有したSQFプラクティショナーをサイトに配属し、食品安全の基礎(レベル1の場合)、食品安全プラン(レベル2の場合)、食品品質プラン(レベル3の場合)の開発、実施、評価および保守を監督することがある。そのため、SQF認証取得する際は、SQFプラクティショナーの養成および指定は必須となる。

その後、表1に掲載した三段階の認証レベルから希望のレベルを選択した上で、SQFプラクティショナーを中心として7、SQF規定の文書化、運用をし、システム構築を進めていくことが期待されている。

SQF規定にもとづくシステム構築がすすめられていくなかで、認証機関を選定することが必要となってくるが、希望する場合は、認証審査前に、プレアセスメント(予備)審査を受けることが可能である。プレアセスメント審査はあくまでも任意の審査であり、SQFシステムとのギャップを明確にすることを希望する場合は役立つことが期待される。

その後、必要な場合は選定した認証機関と協議の上、所在地、業務プロセス、製品の範囲を明確にし、認証範囲を決定する。この設定された認証範囲は現地審査の結果、変更になる可能性も含むため、最終決定は現地審査後になる場合もありうる。その特定された認証範囲において、ISO17065認定を受けている認証機関のSQF審査員によって文書審査、現地審査が実施される。

再認証審査は、適用範囲等の条件が変わらない限り、毎年1回、初回認証審査と同じ審査日数で実施される。また、3年の認証サイクルのなかで、3回実施される再認証審査のうち1回は無通告審査として、事前のスケジュール調整なしで審査員が訪問し、審査が実施されることになっている。

表1: 3段階の認証レベル
レベル1:
食品安全の基礎
新しく設立された組織や、成長中の企業むけのエントリーレベル。
GAP/GMP/GDP要求事項および食品安全に関する基本要求事項のみを対象としている。
レベル2:
HACCPに基づいた食品安全プラン
レベル1のシステム要件がすべて組み込まれている。さらに、ハザードと危害の除去・予防・軽減措置を特定するために、製品および製品プロセスの食品安全リスク分析を完了していること。レベル2のモジュール2のシステム要素への適合が必須。GFSI承認済みレベル。
レベル3:
包括的な食品安全・品質管理システム
レベル1、レベル2のシステム要素がすべて組み込まれている。さらに、製品および製品プロセスの食品品質リスク分析を完了していること、および品質低下予防措置を講じていること。レベル3のモジュール2のシステム要素への適合が必須。
表2: モジュール化による産業分野別要求事項
モジュール2 SQFシステム要素 ― 産業分野共通
モジュール3 動物飼料安全の基礎 – 動物飼料製造における適正製造規範(GFSI F)
モジュール4 ペットフード安全の基礎 – ペットフード製造の適正製造規範(GFSI F)
モジュール5 食品安全の基礎 – 動物生産品の飼育における適正農業規範(GFSI AI)
モジュール6 食品安全の基礎 – 魚養殖に関する適正養殖規範(GFSI AII)
モジュール7 食品安全の基礎 – 植物製品の栽培における適正農業規範(GFSI BI)
モジュール7H 食品安全の基礎 – 植物製品の栽培における適正農業規範(GFSI BI)
モジュール8 食品安全の基礎 – 穀物・豆類栽培における適正農業規範(GFSI BII)
モジュール9 食品安全の基礎 – 動物生産品前処理における適正製造規範(GFSI C)
モジュール10 食品安全の基礎 – 植物製品の前処理における適正製造規範(GFSI D)
モジュール11 食品安全の基礎 – 食品加工における適正製造規範(GFSI EI, EII, EIII, EIV, L)
モジュール12 食品安全の基礎 – 食品の輸送・流通における適正製造規範(GFSI JIおよびJII)
モジュール13 食品安全の基礎 – 食品包装資材製造における適正製造規範(GFSI M)
モジュール14 食品安全の基礎 – 食品仲介業者および代理業者の適正製造規範(GFSI N)
モジュール15 食品安全の基礎 – 食品ケータリング業、卸売業、小売業の適正製造規範(GFSI G,H)

注1:産業分野の日本語表現は、「SQF規定第7.2版」(日本語版)の記述を引用。
注2:( )内は対応するGFSI規定セクターを記述。
注3:7Hは、United Freshによって、標準化・策定された農産物規格。当規格による認証を希望する組織向けのモジュール。
注4:2014年11月現在、モジュール5、8、12、14は、GFSIベンチマークプロセス未承認。
http://www.mygfsi.com/schemes-certification/recognised-schemes.html 参照のこと。

表3: モジュール11:食品加工における適正製造規範
11.1 サイトの要件と承認
11.1.1 施設の立地
11.1.2 建設と操業認可
11.2 建設と製品の取り扱いおよび保管区域
11.2.1 材料と作業台
11.2.2 床、排水溝、排水トラップ
11.2.3 壁、仕切り、ドア、天井
11.2.4 階段、通路、足場
11.2.5 照明と照明設備
11.2.6 検品エリア
11.2.7 埃、ハエ、害虫の防御
11.2.8 換気
11.2.9 施設と設備機器の維持管理
11.2.10 校正
11.2.11 害虫害獣駆除の管理
11.2.12 機器、用具、防護衣
11.2.13 清掃および衛生
11.3 人員の衛生と福利厚生
11.3.1 人員
11.3.2 手洗い
11.3.3 服装
11.3.4 アクセサリーと所持品
11.3.5 訪問者
11.3.6 スタッフへの快適環境(休憩室)
11.3.7 更衣室
11.3.8 洗濯室
11.3.9 衛生設備
11.3.10 食堂
11.3.11 救急用品
11.4 加工担当者の規範
11.4.1 食品の取り扱いと加工に従事する従業員
11.5 水、氷、空気供給
11.5.1 給水
11.5.2 水の微生物学的モニタリングと水質モニタリング
11.5.3 配水
11.5.4 水処理
11.5.5 氷の供給
11.5.6 分析
11.5.7 空気の品質
11.6 保管と輸送
11.6.1 食品の冷蔵保管、冷凍、冷却
11.6.2 乾燥原材料、包装用品、長期保存可能な包装商品の保管
11.6.3 機器と容器の保管
11.6.4 危険化学物質と有害物質の保管
11.6.5 代替となる保管方法と製品の取り扱い
11.6.6 積み込み、輸送、積み降ろしの規範
11.6.7 積み込み
11.6.8 輸送
11.6.9 積み降ろし
11.7 機能の分離
11.7.1 プロセスフロー
11.7.2 原料と包装資材、原料成分の受け入れ
11.7.3 食品の解凍
11.7.4 高リスクの加工
11.7.5 異物混入の管理
11.7.6 異物の検知
11.7.7 異物混入事故の管理
11.8 施設内の検査室
11.8.1 配置
11.9 廃棄物処理
11.9.1 乾燥および液体廃棄物の処理
11.1 屋外
11.10.1 地面と道路
表4: システム要素の必須要素
要求事項番号 要求事項
2.1.1 経営方針
2.1.2 経営責任
2.1.3 食品安全・品質管理システム
2.1.4 マネジメントレビュー
2.2.1 文書管理
2.2.2 記録
2.4.1 食品関連法規(規制)
2.4.2 食品安全の基礎
2.4.3 食品安全プラン(レベル2,3)
2.4.4.1 食品品質プラン(レベル3)
2.4.8 製品リリース
2.5.2 妥当性確認および有効性
2.5.4 モニタリング活動の検証
2.5.5 是正処置および予防処置
2.5.7 内部監査
2.6.1 製品の識別
2.6.2 製品トレース
2.6.3 製品回収とリコール
2.7.1 食品防御
2.9.2 トレーニングプログラム
図1: 認証準備及び認証プロセス
図1: 認証準備及び認証プロセス
表5: 不適合の定義
不適合等級 条件 減点スコア
軽微(マイナー)な不適合 対処しないと食品安全および品質にリスクを与える可能性のある不充分な状態を生み出すものの、システム要素の機能停止の原因にはならないSQFシステムの不備や欠如 -1
重要(メジャー)な不適合 食品安全および品質にリスクを与える不満足な状態を生み出し、システム要素の機能停止の原因になる可能性のあるSQFシステムの不備や欠如 -10
致命的(クリティカル)な不適合
(現地審査においてのみ)
重要管理点、前提条件プログラムまたはその他加工手順における致命的な管理の中断のことで、著しい公衆衛生上の危険を招く可能性がある状態や製品が汚染されている状態と判断されるもの -50
サプライヤーが認証機関と合意した期間内に効果的な是正処置を講じない場合、または食品安全管理およびSQFシステムに関連する記録が全体的に改ざんされていると認証機関がみなす場合
表6: 審査のスコアおよび格付け
スコア 格付け 認証 審査頻度
96 – 100 E-優 認証書発行 12か月ごとに再認証審査を実施
86 – 95 G-良 認証書発行 12か月ごとに再認証審査を実施
70 –85 C-合格 認証書発行 6か月ごとにサーベイランス審査を実施
 0 – 69 F-不合格 認証書発行なし SQF審査不合格とみなす
  1. GFSI:Global Food Safety Initiative 詳細は当ウェブサイト内「GFSIとは」を参照のこと。
  2. GFSIに承認をうけた産業分野の最新情報はGFSIウェブサイト上に掲載されている。http://www.mygfsi.com/schemes-certification/recognised-schemes.html
  3. GFSIがスキームを承認するためにベンチマーキングをする際、指針とする文書
  4. FSSC22000 詳細は当ウェブサイト内「FSSC22000とは」を参照のこと。
  5. BRC:British Retail Consortium 英国小売協会が運営するスキー
  6. IFS:International Featured Standard 独小売協会(HDE)が運営するスキーム
  7. SQFでは、SQFが認定するコンサルタント養成制度があるが、コンサルタントの利用は任意となる。

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